第3回「同時通訳者兼格闘家/横山カズさん」 カテゴリ: インタビュー


 
 

:紘道館(松本道弘氏が館長をつとめる私塾、毎月第一日曜日に例会を行っている。)

  との出会いはどんな感じだったのでしょうか?

 

:通訳の仕事でとある方と初めて英語で話した時に君は

  松本先生のファンか?と言われたんです。

 

  なんでわかったんですか?と聞くと英語のスタイルでわかる、

  と言われました。

  その方が、松本先生に近しい方で紹介をしてもらったんです。

  そこから紘道館に通うことになったんです。

 

:具体的にどこが松本ファンであることの決め手になったのでしょうか?

 

:恐らく松本先生が推奨するgiveやgetの使い方などを

  忠実に守っていた点かもしれません。

 

:その後同時通訳という道を歩むことになると。

 

:一時期、気分的に随分落ち込んでいたんですが、

  松本先生に直に会ってから僕の中で

  やっぱりもっと英語を上達させたいと言う思いが強くなりました。

 

  僕は今も反射やスピードに頼ってしまうのですが、

  松本先生は全身がセンサーのように少し話すと

  相手の感覚を読み取ってしまう。

 

  だから一瞬にして相手の「間」を捉えてしまう。

 

  これは到底かなわないと思いましたし、

  同時に少しでも近づきたいと思いました。

 

  もう一つ、幼い時に著書を読み感銘を受けた

  松本道弘という人に直接会ったときにひとつも幻滅を

  しなかった事も大きかったです。

  むしろ予想を遥かに超えていた。

  それも僕を勇気づけてくれました。

  憧れでしかなかった達人が、やっぱりほんとに凄かった、

  ということは本当に大きな体験でした。

 

:カズさんはもう松本道弘氏の著書にも

  優秀な通訳者として名前も載っています。

  あの頃のまっすぐな英語少年が今、そういうところに立っている。

  そのことについてはどう思いますか?

 

:あの時持っていた夢を失わずにこれたのは先生のおかげなんです。

  円熟を極める今の先生には追いつくとは思えません。

  でも英語の楽しさや素晴らしさは一人でも多くの人に

  伝えたいという思いがあります。

  30歳を過ぎて、「教える」という事を始めたんです。

 

:生徒さんに伝えたい思いが決壊し、溢れ出したのかもしれませんね。

 

:中学生や、高校生からよく、この年から英語を始めても

  英語を話せるようにはならないんですか?

  という質問をされます。

  色々なデータや論文のなどの答えはわかりませんが、

  今の僕か、または僕以上になれることは保証する、

  と僕はいつも言っています。

 

  みんな夢を持っているんです。それを諦めさせる事は

  絶対に許されない。だから胸を張って、自身を持って

 

  「大丈夫」と言ってあげられる先生になりたいんです。

 

 

  たまに生意気な生徒もいるんです、

  先生ほんとに英語話せんの?とか(笑)

 

  英検1級取って証明してよ、なんて言われた事もありますよ。

 

  とても慌ただしい時期でフラフラのまま会場に行って受けてきました。

  まあ、さすがに落ちるという事はありませんでしたが、

  生徒は一応認めてくれたみたいです(笑)

 

:その辺りはさすがですね。なかなかじゃあ受けてきますよ、

  といって受かるものではないです、普通。

 

  学生、に関して言うと僕も実は何度か同じ質問を受けたことがあります。

  僕の答えも同じものでした。

  いい加減な大人の軽率な言葉で大切な思いを潰してしまう事は許されない。

  カズさんは随分と幼い頃に英語に夢を抱いていた、

  だからこそその思いがわかってあげられるんでしょうね。

  カズさんが、ずっと夢を持ち続けられた秘訣はなんでしょうか?

 

:僕は英語の資質、という点では随分と他の人に比べると落ちます、

  それは音感ひとつとってもそうです。

  ずっと試行錯誤の繰り返しです。そして、あのときこうしていれば、

  もっとこうだったら、という延々と終わらない

 

  「仮定法過去完了」の問いが自分の中にあるんです。

 

  大人になればなるほどその問いは、みんな多くなるんです。

 

  僕は自分が人体実験みたいなものだと思っています。

  精一杯やって、どこまでできるかを試したいんです。

 

  才能がなかった僕のような人間がどこまで行けるか、

  自分で自分を実験しているんです。

 

:カズさんのそういう姿勢は多くの日本で英語を学ぶ人の希望のような気がします。

  常にぶれないその姿勢は北極星のように、

  進む道を迷う人にとって信頼しうるものなような気がしています。

 

  カズさんを、そこまで強く、諦めない人間にしたものは何だったのでしょうか?

 

:わかりにくいかもしれませんが、子供の時に直感的に抱いた憧れ、

  それだけだと思います。

 

  幼い時に通訳者を見てこれだ、と思った思い、

  これをずっと追いかけているんです。

 

  それを助長するように松本先生の本に

  「英語をマスターしたければその最高峰が同時通訳であると」

   書かれていました。

   それが今も僕の中に残っているんです。

 

  才能がなくても、

  目標を高く持てば叶えられるんじゃないかと思った

 

   んです。

 

:そして今、同時通訳者になり、最も将来を嘱望される若手のホープ

  とまで言われるようになった。

  カズさんが満足しているようには見えませんが、

  今だからこそ言える、あの時の幼い英語少年への言葉

  は何かありますか?

 

:未熟児で苛められっ子だった自分に、

 

  「絶対大丈夫」

 

  と言ってあげたい。  

 

  僕はずいぶん大人になってから英語を身につけられた、

  だから今はできなくても

  絶対にあきらめちゃだめだよ、と言ってあげたい。

 

:それは、

  今英語を頑張る全ての人へのメッセージなのかもしれませんね。

 

:そうかもしれません。様々な要因を人はそれぞれに持っています。

 

  でも、第一言語をしっかりとマスターした人は第二言語も必ず身につけられます。

  年齢や性別、才能や境遇、皆いろいろな要因を抱えているかもしれない。

  ただ、それは

 

  「個性」にはなり得ても障害には決してならないんです。

 

:とてもいい言葉ですね。

 

:言葉を使うという能力には人の数だけ違いがあります。

  だからこそ、僕はそう思うんです。

 

:では最後に、

  これまで人から見るとひたむきな努力をずっとされてきた

  カズさんだと思いますがご自身では努力してきたと思いますか?

  もしくはご自身でやってきた事をどのように捉えていますか?

 

:マラソンランナーは25km付近で辛さのピークを迎えますよね。

  画面で見ていてもとてもしんどそうです。

 

  でも、僕は本人は実は一番楽しんでいる時じゃないかとも思うんです。

 

  どれだけ辛くても、走る事を禁止された方が辛いはずなんです。

  それと同じで、僕は自分が努力をしてきたとは

  一度も思った事はありません。

  楽しみながら、諦めずにここまできた、そういう感じです。

 

:本日はお時間をいただきありがとうございました。

 

:ありがとうございました。

  最後に日本で英語を頑張っているみなさんに、

  僕からエールを送らせてください。

 

 

 

I have learned that intensity helps me compensate

for my losses as an adult learner,

and helps me achieve goals in a way that those

who grew up in the language may never have to learn.

 

Intensity overcomes obstacles!!

 

 

成人が学ぶ困難は、熱意によってカバーでき、だからこそ英語で育った人たちとは、

きっと全く違った形で目標を達成してゆける。

 

困難は、力で押しのける!!

 

 

 

 

 

 power3

 

 

 

 

 

横山カズ

同時通訳者/超実践英語指導者/格闘家

関西外国語大学(外国語学部スペイン語学科)卒 
トヨタ自動車、三洋電機など企業において主に技術系通訳及び翻訳業務、

重役会議等における同時通訳業務、外国代表団と行政首長との同時通訳業務、

外国人VIPの日本視察における通訳業務等を歴任。

2009年4月より完全フリーランス通訳者として独立し、

外資系企業等の社員を中心に英語の個人指導を行っている。

今話題のパワー音読の提唱者である。

多くの女性ファンを全国に持つ人気講師であると同時に

松本道弘からその通訳者としてのスキルを高く評価され

将来を嘱望される日本通訳界若手のホープである。

 

 

 パワー音読も収録されたDVD「The サムライ English」

http://the-samurai-english.com/