楽天の新規英語事業 Rakuten Super Englishは英語業界の新しい風になるか? カテゴリ: インタビュー


今ある教育システムや学校の講師の仕事を奪ってしまってはいけない

 

セレン

それでは続いて、ReDucateの田中耕平さんにもお話を伺いたいと思います。

ReDucateの製品の特長などについて伺えますか?

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田中

ReDucateは学習者のモチベーションや集中力を高く保ち続けるという点にフォーカスしています。

我々のサービスとしてはやはりゲーミフィケーションを活用している、

という点が特長であると考えています。

最近「まなみ~」という新しいアプリをリリースしたんですがこちらは小学生や中学生のみんなが楽しく

アプリを使ってゲーム感覚で語彙だけではなく英訳、和訳、発音、スペル、なども一気に学べるものになっています。

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「まなみ~」のリリース前は「えいぽんたん!」、「きこえ~ご」などを開発、リリースしてきたのですが

やはり「ゲーム」というのが我々のキーワードであることには変わりないと思います。

これまでキッズ、学生さん向けに特に重きを置いてやってきたことはなかったんですが、

ゲーミフィケーションの強みを生かして今回は「まなみ~」では少し若い層にターゲットを

想定し開発を進めてきました。

我々の強い思いというのがあって、それは現状の教育システムをサポートしたい、というものです。

2020年から日本の小学校での英語教育というのは大きな変化をしていきます。

そして現状、現場の先生たちはそれに向けて様々な試行錯誤や努力をされていると思われます。

一方で改善すべき課題もあると感じています。

例えば、学校の先生は小テストなどを授業の始まる前にやったりしますよね。

先生が問題を作って、コピーを取って、回収して、答え合わせをして、またそれを返して。

こんな膨大な作業を一つの小テストに費やさざるを得ない現状の教育現場というのは

効率的に先生というリソースを活用できていないことになるのではないでしょうか。

我々がサポートしたいと思っているのはそこなんです。

アプリを使えば簡単に小テストができたり、スピーキングの練習や発音練習もできたりします。

それが我々の今一番やっていきたいことなんです。

今ある教育システムや学校の講師一人一人の仕事を奪ってしまうことはあってはならない

思っていて、あくまで現システムそのままでプラスアルファとして支えられる存在になりたい、

というのが大前提かつ根底にある思いでもあります。

セレン

そうすると田中さんは「まなみ~」や「えいぽんたん!」などを学校の授業などで

使ってほしいと考えられているんですね。

田中

そうですね。学校だけでなく塾なんかでも使ってほしいですよね。

今までのリソースではできなかった効果的な学び、楽しい発見が教室内に生まれると思います。

セレン

ReDucateが作るアプリというのは元々学校の授業などで使われることを想定していたんですか?

田中

今いくつかご存じのようにアプリを提供させてもらっていますが、そのうちの「きこえ~ご」

を利用してくださっているユーザーの中に学校の先生がいたんです。

その数名が我々にコンタクトをしてくださって、教室の中でアプリを活用したい、

という相談を受けたんです。

彼らとの対話を通して、当時のバージョンでの教室での使用における問題点やさらに

必要な機能というのがどんどん明らかになっていたんです。

セレン

なるほど、それは非常に興味深いエピソードですね。

マイトさんに伺いたいのですが、僕自身、多くの英語関連のアプリをレビューさせていただいたり、

開発などにも関わらせていただきました。

多くの英語関連のアプリが競合するこのフィールドで、マイトさんご自身はLingvistのアプリを

どう差別化されてきたのか、また今後しようとしているのでしょうか?

マイト・ミュンテル

いい質問ですね。

まずはやはり学習速度、でしょうか。

これまでも学習者の学びそのものをどうスピードアップさせられるかに重きを置いてやってきました。

我々の強みは強力なデータサイエンスのチームを持っている点にあると思います。彼らは我々の核となる部分でもあります。

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【LingvistのUI】

セレン

「早くする(make learning faster)」というのは強制的に、というニュアンスですか?

マイト・ミュンテル

いえ、決して強制的にプッシュするわけではありません。

AI機能がベースになっているので計測、分析があくまで土台です。

その後に計算、というプロセスがあって結果として「早くする」ことができるのです。

多くのユーザーがいて、それらのデータを解析しAI機能はどんどん成長していきます。

コンピューターはユーザーの思考パターンをすぐにキャッチし、コンピューター自身が

学習をしていきます。

似たパターンを持ったユーザーのデータが他のユーザーにも反映され、

学びがどんどん効率的になっていくのです。

ユーザーの回答や記憶の定着度などもどんどんコンピューターが把握し

データに反映していくんですよ。

そうして個々のユーザーにとって効果的なものになっていくのです。

これは他のアプリではなかなかできないことだと思います。

セレン

マイトさんはどのようにユーザーにLingvistを使ってほしいと思っていますか?

マイト・ミュンテル

各人の使用パターンというのはそれぞれなので、あまり特定の使い方を指定するような

ことは言いたくないのですが、一日数分しかしない人も逆に数時間使う人も、

最終的にはコンピューターがパターンを計算し最適な学習を導き出すようにデザインされていますので、

まずは自分のやり方で安心して使ってほしいですね。

セレン

まだ世に出していない新しいアイデアなどはあったりするんでしょうか?

可能な範囲で聞かせていただければ嬉しいです。

マイト・ミュンテル

そうですね、まずは継続的に現存のプロダクトの向上、開発を進めています。

ユーザーが多ければ多いほど多くの情報を得られるので、ユーザーを獲得していくことも

大事なミッションの一つです。また語彙力強化だけではなくリスニングやスピーキングにも

特化したものの開発も進めています。

セレン

TOEICにフォーカスしたコースも新しく始まったそうですが

マイト・ミュンテル

TOEICで出題される語彙はある程度限られています。

スコアレンジごとにカテゴリーを分け、必要な語彙を習得していくことをゴールにしています。

今の時点では各パートに特化した出題形式を踏襲したようなシステムはないのですが、

まずはやはり語彙力が大事なのでそこを学べるようにしたコースになっています。

TOEICテストに頻出する単語を分析にかけその頻度を計算しているんです。

無料コースと有料のTOEICシリーズの全3コースを合わせると

TOEIC頻出単語の99パーセントをカバーできます

セレン

田中さん、ReDucateの方はいかがですか?

自社プロダクトをどのように差別化しようとされているのでしょうか?

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きこえ~ご

田中

オンライン学習というのは効率で言うと非常にいいものです。

ただ同時にドロップアウト率(学習をやめてしまう)というのが常に付きまとうものです。

ですので、これを解決するために我々はゲーミフィケーションという側面から

アプローチしようとしています。

実際に「えいぽんたん!」や「きこえ~ご」でデータを取っていますが、

かなり高い継続的使用率を保っています。

常に継続的使用率というのを分析し、ユーザーのみなさんがどうすれば楽しく使い続けてくれるか、

をいつも考えています。

アプリ内の問題の難易度を変える、というのも一つ有効な手で、難しすぎても簡単すぎても飽きたり、

嫌になってしまったりするものなんです。なのでそのあたりのアップデートも常に必要です。

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