第2回 「第二言語習得研究家/豊田典子さん」 カテゴリ: インタビュー


 

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 日本では長年グローバル人材、国際化、そして英語の重要性が叫ばれ続けている。

その中で信仰的な響きを持って扱われている言葉に「バイリンガル」という言葉がある。

僕は自ら、ただのバイリンガルで終わるのではなく、

しっかりとした母語と自国への理解とアイデンティティの

上に第二言語を積み重ねようという

 

「和(平和の和、調和の和、そして日本の和)」+バイリンガルの「ワイリンガル」

という言葉を提唱してきた。

 

そこでやはり日本人として考えなければならないのは

「バイリンガル」とは何か?という事ではないだろうか。

 

多くの人が子供をバイリンガルに育てたい、と早期英語教育に踏み込み、

子連れ留学なども盛んに行われるようになってきた。

 

果たしてそれは手放しで喜んでいいのだろうか?

果たして何を以て人は「バイリンガル」になるのか?

 

今日はそこのところを第二言語習得、

そして認知言語学を研究されている豊田典子さんにじっくりとお話を伺ってきました。

 

 (豊田さんご自身についてはこちらのインタビュー記事をご参照ください。)

 

日本における「バイリンガル問題」

 

 まず始めにお話ししたい事は2言語を高いレベルで習得し維持していくことは

身体的に、または時間的にもかなりの量の努力を要することだ、ということです。

当然、子供に取っての負担も考慮しないといけません。

もし英語を身につけさせ、仮にアメリカの大学へ行けたとしても

アメリカでの就職は難しく日本に戻ってきても、

日本語での敬語レベルなどに問題があるケースが多く、

そうなると日本語での就職も難しい、という事もよくあります。

 

日本のバイリンガル問題で一番多いケースに、

親が子供をバイリンガルにしたい、からというものがあります。

 

私がよくお母様方に問うのは、

バイリンガルにしたいのはなぜなのか?ということなんです。

 

将来幸せになって欲しいからではないですか?

 

それなら受験をまず視野に入れなければいけないと思います。

 

 

幼い頃から子供に英語を強要することで子供の人生が狂うケースは少なくありません。

 

早期英語学習は必要か?

 

 本当は早期英語というのはなくても大丈夫なんです、心配ありません。

 

実際に私の主人も二十歳すぎから英語を始めましたし、

セレンさんもそうですよね、2年前の31歳から始められた。

 

必ずしも早期学習が全ての人に必要なのではないということはお伝えしておきたいのです。

 ペラペラとはなにか?という定義も必要かもしれませんね。

 

日本人がペラペラ、という場合、発音が綺麗なこと、を指すケースが多いんです。

話の内容を聞き分けてペラペラと言っている訳ではないんです。

 

発音の習得(音の聞き分けにも通じる)は様々な研究があり一概には言えません。

個人差などもあり、子供に何度も検査を繰り返すことは、

CTなどの身体的影響なども含め様々な要因があり、色々な実験結果はありますが

、一般的には3才~9才と認識されています。

 

 ただ英語の本質である4技能は発音のみに拘らなくてもバランスよく伸ばす事ができます。

 

つまり早期学習に拘る必要はないんです。

 

それでは、早期教育では一体何をすればいいのか?    >Next