【TOEIC®】あなたのリスニングスコアはもっとあがるはずだ
カテゴリ: リスニング, 英語試験対策
TOEICのリスニングセクションでだいたい400行くか行かないか、くらいをずっとウロウロしていて
なんで伸びないんだろうなー、と思われている方はいませんか?
日常ではそれなりに英語を聞いている、仕事でも英語を使っていてそんなに困っている自覚はない、
けれどいざTOEICを受けてみたらリスニングスコアが400点ほどで、少し上がったり下がったりを
繰り返してしまい、そこから先に伸びない…という方。
自分はもっと聞き取れているはずだ、もっと点が取れてしかるべきだ、
と思われるかたにこそぜひ読んでいただきたい内容です。
なぜ伸びないか、という原因分析とともに
スコアを上げるためにできることをご紹介させていただきたいと思います。
(恐らくリスニングスコア450くらいの方にも同じことは言えると思います)
スコアがなぜ伸びないか?原因徹底分析
TOEICという試験でのリスニングスコアがなぜ伸びないか?
の原因はいくつかに絞り込めると思います。
これまで多くの英語学習者の方と向き合い、スコアの伸び悩みを原因分析したり
カウンセリングやコーチングを通じて様々なトライ&エラーを行ってきました。
そこから見えてきたリスニングのスコアアップのカギがいくつかあり、
伸びない方というのはそこを押さえないまま、克服しないままになっている、
そういう方が多いように思います。
ズバリ、その伸び悩みの原因は
1、選択肢の理解が8割程度で止まっている
2、何となく流れを追えるので「聞けた」気になっている
3、まだまだピンポイントで聞き取れていない単文も多い
この3つに絞られると思います。
もちろん、細かな原因は他にもあるとは思いますが多くの方に
共通しているのはこのあたりではないかと思います。
伸びる原因は多岐に渡るけれど伸びない原因は限られている、
が私の持論です。
では早速それぞれを細かく見ていきましょう。
原因その1、選択肢の理解が8割程度で止まっている
これは俗に言う「聞き取れてるのに間違える」というやつです。
(俗に言うかはわかりませんが…)
これは本人が間違えた実感がないので、試験が終わって、結構できた気がするなあ、
なんて思っていてスコアが却ってくると伸びてなかったりダウンしてたりして落ち込むやつです…。
このパターンの誤答をする方に本文のリスニングを設問先読みなどをせずに純粋に聞いてもらって
内容の要約などをしてもらうと該当箇所は聞き取れているんです。なので本人の聞き取れた
という感覚は間違っていないんです。
ただ、最後の最後の選択肢を選ぶときに間違えているんです。
この原因が意外と盲点になっている原因として「リスニング力ではない」というのも大きいかもしれません。
Part3,4の長文セクションでは聞く力とともに「読む力」も問われているんです。
長い文を読む力ではなく、短い文を100%正確に理解する力、これがリスニングの長文セクション
での解答時に問われているリーディング力です。
なぜ間違えるのか?それは選択肢をちゃんと理解せずに
雰囲気で選んでいる
からではないでしょうか?
そういう方は
(A) A musician
(B) An actor
この違いははっきりわかるのですが
(A) A list of references
(B) Some printed feedback
このあたりになってくると同じようなもの、という曖昧な認識で捉えてしまうんです。
この同じようなもの、というのが曲者で選ぶ本人も選択肢が違う以上、同じでは
ないんだな、とは認識しています。ただ具体的にどう違うか、があいまいなので
とりあえず先に出てくる方を反射的に選んでしまうんです。でもってその先の方の選択肢
というのは誤答になるケースが多いんですね。
ここで大事なのは極論を言うと語彙力です。語彙の意味がはっきりしないのでなんとなく
似たもの、という認識の壁を越えられないんですね。
この原因に対してできることは選択肢を全て日本語に訳してみて、
解答の訳と照らし合わせてみることです。400点くらい取れている、という自負が
こういう地味な作業をスキップさせているというのもあるかもしれません。
全ての選択肢を解答編の日本語訳と照らし合わせてみる
というプロセスをぜひやってみてください!
原因その2、何となく流れを追えるので「聞けた」気になっている
普段英語を使っていたり、留学経験や海外在住経験があったりする方に多い傾向として
サーっと聞いて何となく流れをだいたい追える、というレベルだけど、細かいことを聞かれると
覚えていない、または聞き取れていない、というケースがあります。
これもパートとしては長文セクションのPart3,4になってくるのですが、
このその対策としてできることは
設問先読みの精度を上げる事+聞き取れていない箇所のあぶり出し
になってくると思います。
設問の先読みの精度を上げるプロセスはそんなのただのTOEICの試験対策じゃないかと
思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、先に聞かれることを想定しながら
英語の本文を聞く、という力は実生活での英語にもプラスの効果があるものです。
設問先読みしてから英語を聞く機会なんて世の中に存在しないんだから
そんな練習をしても無駄、という方もいますが私は全くそう思ってなくて、
英語のプレゼンの冒頭などで
Today, I am going to talk about three points that I want to share with you here.
なんてプレゼンターの人が言う時、ああこの人は今から3つの事について話すんだな、
という事実上の先読みをしながら聞いていることになると思います。
こういう局面は多いので、設問先読みしてから本文を聞くトレーニングは決して無駄には
ならないのでご安心いただいてよいと思います。
設問の先読みに関していうと、公式問題集の設問、選択肢が書かれたページをコピー
したりして(持ち歩くのは大変だと思うので)、移動中などに速読する練習を繰り返します。
ここで言う速読の目安は日本語と同じくらい、だと思っておいていいと思います。
スマホで写真を撮って、というのもありかもしれませんが本番と同じフォントサイズでどうせなら
慣れたほうがトレーニングの効果は高いと思います。
「設問、選択肢が日本語書かれていたら楽なのに…」
と思うレベルではまだ設問、選択肢が負荷になってしまっているという証拠です。
英語でも日本と比べ遜色なく理解できるように何度も読み、瞬時に意味が理解できるように仕上げましょう。
聞き取れていない箇所のあぶり出しは長文セクションではどのようにするか、というと
私は「内容の要約をしてみる」ことではっきりしてくると思います。
設問を読まない状態で解いた問題でも構わないので、音声だけをまず聞いてみて
その後英語で(日本語でも可)内容をなるべく細かくメモにまとめていきます。
だいたい大まかなプロットは5個か6個に絞れるはずです。
例えば、
1、男性と女性が来週のプレゼンの話をしている
2、女性は出席しプレゼンする予定だが出れなくなった
3、そのプレゼンは会社にとってとても大事なプレゼンである
4、男性は代わりにプレゼンすることを提案
5、女性は依頼内容をまとめて今晩までのメールすると約束
だいたい、どのパッセージもまとめるとこの位の分量になります。
たかだか40秒くらいの会話で話せる内容はこの位なんです。
でも理解度が低いパッセージになるとプロットが2つや3つしか書き取れない
ということも出てくるはずです。
これがつまり細部が聞き取れていないパッセージ、ということになります。
設問は3つなので5つ、6つとプロットが聞き取れていればその中から3つ
聞かれても問題なく答えられることが多いのですが、やはり聞き取れていないと
選択肢も選べないので迷い、その挙句不正解、ということになることも多いはずです。
内容を細かく聞き取り、メモに書き取ってみる→スクリプトと照らし合わせ、
理解できていなかった箇所をハイライトし音読、シャドーイングで意味処理を高める
このトレーニングが非常に効果的だと思います。
原因その3、まだまだピンポイントで聞き取れていない単文も多い
結局のところ、その文章正確に聞き取れてますか?
というのがリスニングセクションで問われている力なわけですが、
一発勝負の聞き取り力を試されるセクションといえばPart2ですよね。
難化してる、とか色々言われますが結局のところしっかり聞き取れているか?
をまずは追及すべきではないでしょうか?
ちょっとトリッキーな返答のパターンなどは練習問題でこういうパターンもあるんだな、と
問題文と正解の選択肢をセットにして一人で会話するようにセット音読していくとよいと思います。
ただ増えている、とは言ってもまだまだその手の返答が超絶トリッキーで
難易度マックスの問題はスコアが上がらない原因になるほど問題数は多くはないはずです。
つまりそれ以外の問題でポロポロと誤答しているので伸びない、という原因の方が
対処すべき問題としては手前にあるのではないでしょうか?
Part2の文を一回で聞いて聞き取れないことが多い原因は疑問文の語順への慣れ、
というのがとても大きいと思います。
現在完了形の否定文の受け身の疑問文
となると
Hasn’t it been sent out yet?
という形になるわけです。読むときは「ん?」と思ってゆっくり分析しながら読めばいいわけですが、
Part2となるとそうはいきません。
他には全パートの中で唯一3択のパートでもあるので、元々どれを選んでも33パーセントと他のパートの
25パーセントという確率よりも高いので勉強している時点で
正解できている=理解できている
と踏んで復習せずにほったらかしにしている、ということもあるかもしれません。
Part2に関しては正解できているかどうか?ではなく
解いた後にそもそもしっかり聞き取れているか?の分析をしていくことが大事に
なってくるはずです。
できる対策として効果的なのはディクテーションです。
音声を流してみて聞き取った英文をノートに書きとってみます。
学習時間は限られているので聞き直す回数は3回、5回と自分でルールを決めて
おくといいと思います。
ディクテーションの注意点としては
書き取ることが目的ではない
という点です。
書き取る行為はいわば問題のあぶり出しです。
問題が浮き彫りになっただけでリスニング力というのは上がりません。
聞き取れていない箇所がわかったらそこを聞き取れる練習をする、ことが大事になってきます。
音読、暗誦、シャドーイング、リプロデュース、オーバーラッピング、
色々な練習法がありますが、要は
自分で意味を理解した上で言えるくらいに落とし込む
という事が大事なのだと思います。
手段が目的になってしまわないように、ディクテーションは注意されてみてください。
あなたの持っているリスニング力が等倍の力で発揮できればスコアももっと上がるはずなんです。
試験対策というプロセスを通して、「何となく」分かって気になっていた部分のネジを締め直す、
これが最大の処置になってきます。
何となく理解できている、おおむね内容は取れている、という方が
すべきことはこの「何となく」からの脱却ではないでしょうか?
純粋なリスニング力アップには必ず通る道なので、
ぜひTOEICという試験を通してスコアアップと同時に実力としてのリスニング力アップに
挑戦してみてくださいね!
記事執筆者/セレン
英語キュレーター、社内英語公用語化IT企業内英語研修講師
TAC株式会社 法人事業部英語講師
留学経験ゼロ、海外経験ゼロから30歳を超えての英語学習をスタート。
英語の学びと楽しみ方をSNSを通じて情報発信をしており、Twitterフォロワー数は12,000人を超える。
著書に『英語のあたらしい読みかた』(IBCパブリッシング)がある。
英検1級、TOEIC® L&R TEST990点(満点)。